
一級建築士事務所(株)アトリエジーセブン 代表取締役社長 羽柴功一さん 岩佐ビルで僕がいちばん好きなのは、室内から見る開口部。手作り感のある細いスチールのサッシがガラスを分割していくプロポーションが、なんともいえず美しいのです。なんだか日本の建物じゃない空気をかもしだしている。高精度の工業製品をはめ込んでいくだけの現代建築では、これはマネができません。大きな中庭も、とびきりユニークです。 そしてもちろん、4mの天井高が可能にする空間の広がりもすばらしい。ヨーロッパでは、部屋の大きさの基準を面積ではなく容積に置くことが多いものですが、こうしたところも日本離れしているでしょうか。この広がりが活かせるように、岩佐さんは内部の造作のルールを比較的ゆるく設定していて、それも僕たちのような仕事にとってはうれしいですね。 不思議に人のぬくもりを感じるような大きな空間は、人間の精神にとても良いと思います。そればかりか、観葉植物もみんな元気なんです。ほんとですよ(笑)。